慶應義塾大学文学部 『小論文』 2019年度分析 -解説-

◎試験の概要

文学部(一般)

試験時間: 90分
満点: 100点(350点)
特徴: オーソドックスな問題を、そのまま早慶レベルに難化させたつくり。小技が効かない分、実力があれば本番でも崩れにくい。同学の他学部に比べて字数が少ない。ポイントを絞ってまとめ上げる力が求められる

◎問題構成

課題文についての要約(設問Ⅰ)と意見文(設問Ⅱ)のみ。

課題文がやや長いとはいえ、試験時間はしっかりあるうえ、設問はどちらも字数が400字以下と制限されている。「書く時間が足りない」という事態になることはまずないだろう。余計な説明や例示をしにくい分、問いに対して「これ!」とシンプルにはっきりと答える能力を試されている、という印象を受ける。
以下では、2019年度入試を例にしながら解答へのアプローチを解説していく。

◎設問Ⅰ

回答のポイント

・構成に惑わされない
・読んですぐに書き始めようとしない
・大意と構成をメモしながら、「これ!」といえる回答の軸を明確化させる

形式がオーソドックスである分、こちらも正攻法でいくといいだろう。読む→整理する→構成する→書くの手順を確実に踏んでいきたい。

小論文にあまり慣れていない人や、逆にかなり慣れている人だと、読み終わってからすぐに書きたくなるかもしれない。だがそれはやめておきたい。シンプルな答えが用意しにくくなるというリスクばかり増えて、リターンが期待できないからだ。

期待できない理由は、そこまで急ぐ必要がないからでもあるが、それ以上に課題文の構成ゆえでもある。多くの国公立大で課されるような小論文の設問であれば、課題文を前から順に、分量を基準にまとめていけば、たいていはそのまま要約が出来上がっていく。それゆえに「コツをつかめば、小論文は差がつきにくい」と言われている。

だが本問ではそうはいかない。文全体にかかるテーマに多く字数をかけているとは限らない。2019年度の場合、第7~20段落の「能力の社会的構成」「トーナメントモデル」に関する記述が課題文のほぼ半分を占めているが、字数の割に筆者の主張の中心であるとはいえない。

課題文は「メリトクラシーは社会全体として進展しているか幻想か」という議論に端を発しており、筆者はこれに対し「問うこと自体に現実味がない」としている。なぜなら、この議論に白黒つけるのは「すべてにおいてメリトクラティックな状況が成立していない限り」(=あらゆる場面で同じ能力主義が用いられていない限り)不可能だからだ。そして能力は社会ごと・職業ごとに変わってくる、つまり「文脈依存的」であることを示すために、「能力の社会的構成」について語っている。

言い換えれば、論の本筋は第6段落までにあるということになる。「能力の社会的構成」の位置を取り違えてはいけない。その分、これが何であるのか、本筋に対してどのような関係にあるのかを、ごくかいつまんで表現する必要があることに注意したい。21~23段落で語られる「コミュニケーション能力」も、社会的に定義・構成された能力のわかりやすい例として盛り込む必要がある。

試験時間の中でしっかりと内容を整理し、論の軸をしっかり把握したうえで文章を構成しよう。それが課題文に沿った要約をするために必要なことでもあるし、意見文を書くためにも役立つことになる。

◎設問Ⅱ

意見文は「文章をふまえて」「あなたの考えを」書くよう指示されている。課題文中の定義を把握した上で、別の視点から論じる必要がある。

課題文中における「能力」は、社会が事後的に定義するものとしている。まずは、それに類する(あるいは反する)例を連想したい。そのためには、歴史であれニュースであれ、日ごろから様々な分野の引き出しを作っておくことが有効となる。「国内でヒアリが発見されたことで、昆虫の知識が貴重なものとして社会に認知されるようになった」「今では英語力が重要なものとされているが、開国前はどうだったか」など切り口は無数にあるが、どんなものにせよ自分の中に知識がなければ引き出すこともできない。

なお、筆者の意見に対する賛成・反対を訊かれているわけではないことに留意しよう。論理的整合性をもって反対できるなら構わないが、賛成意見として課題文をなぞるような文章はおのずと発想力・表現力が乏しくなる。その場合、「自分の考えを正確かつ十分に記述する能力」を求める入試の方針から外れるため、減点対象になる可能性が極めて高い。

◎まとめ

慶應義塾大学の文学部を受験する生徒さんは、まずは英語と社会科目の対策をしっかりと進めることをおすすめします。その上で、小論文で合格点を取るために準備と勉強をすることが大事になってきます。

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