慶應義塾大学・法学部 『日本史』 問題分析 -現役慶応大生が徹底解説-

◎試験の概要

◎ここ数年を通じての全体概観

 慶應義塾大学法学部の日本史はオールマークシート式ながらも私大の中でもトップクラスに難しい。オールマークシート式であるが故に難しい用語や事柄を出さないと差がつかないと考えているからではないだろうか。そのため、出題されている歴史用語等は教科書に記載されているか微妙なほどマニアックなものが多く、ひどいものは高校の日本史のレベルを著しく超えた出題もある。まるで博物館にある展示品の説明文の中でもマニアックな箇所を穴にしているかのようである。そのため悪問奇問が比較的多く、真面目に勉強してきた受験生すら思うように点数をとれないので受験界でも批判がある。

 このような事情もあり、近年は少し難易度を下げて落ち着いてきたかのように思われたが、2019年度入試は再び悪問奇問が多いような気がした。このように、基礎的なことをおさえるのは当たり前として、どれくらい難問をとれるかもこの学部に限っては重要になる。

 ただし、安心してほしいのはこのような悪問奇問はみんな解けないので、ここでは差がつかないことだ。差がつくのは歴史を体系的に理解していないと解けないちょっとした難問だ。慶應法学部は用語の穴埋めだけだと思われがちだが、実はそうではない。歴史を体系的に理解し、様々な面からのアプローチをすることで解ける問題が多いのだ。そのため、用語集をただ読み漁るだけといった日本史の表面的な理解ではなく、縦と横のつながりを意識した理解が必須となる。

◎傾向と対策

 出題されている時代や分野は多岐にわたり、取りこぼしてよい分野は一切ない。特に他大の法学部ではあまり見られないような古代の遺跡について深く問う年や、明治・大正期の大衆文化を深く問う出題がされており、抜かりない対策が必要だ。

 出題形式としては大量の語群から適切な単語を選ぶ形式の問題が中心である。このタイプの問題は大量の語群から正解を選ばなくてはいけないので、正解を見つけるまで時間がかかりがちで過去問演習を通じて慣れておく必要がある。ただし、選択肢は五十音順に並んでいるのでそれを手掛かりに探すのも良いただ、理想は問題文の空欄を見た段階で正解の単語を思い浮かべたうえで選択肢の中から探していくという感じだろう。また、難しい問題の場合は諦めることも必要だが、悪あがきとして、正解だと思われる選択肢を5個ぐらいに絞って適当にマークするとまぐれで当たる可能性もある。

 さらに、近年は5択式の選択問題などが新傾向として出題されるようになった。いずれの選択肢も教科書の隅に書かれているようなレベルの高い出題だが、確実にとれる問題を取りこぼすことなく正解できるかが合格の鍵である。

 大量の語群の中から適切な単語を選ぶ問題の対策として、慶應法学部の場合ある程度難しい単語を知っておいた方が良いので用語集や一問一答などで頻度が低いものもおさえていた方が良い。用語集としては『日本史B一問一答(東進ブックス)』がオススメである。ここに掲載されている★2までの用語はもちろんのこと、最低でも★1まではある程度おさえておきたい。ただし、用語の穴埋めが中心とはいえ単語レベルの理解ではなく、流れを正確に理解していないと解けない問題となっているので、あくまで用語集は副教材として扱い、教科書の読み込みが大切である。そうすることで少ないヒントでも正解に辿り着き易くなる。(たまに、正解だけ見ると基礎的な用語で正解しなくてはいけないのでは?と思う問題もあるのだが、問題文のヒントだけでは導くことが困難な問題もある。しかし、このような問題は解けなくて大丈夫である。2019年度においてもこのような問題が見られたので詳しくは『2019年度 慶應義塾大学法学部 日本史 問題分析』の記事で解説する。)

 最後に、日本史のマーク数は各問につき2個なので全部で100個になってしまいこれを塗るだけでもかなりの時間がかかる。これを考慮して過去問演習の際に制限時間を60分ではなく55分と短くして解いてみるなど、普段の演習の段階から早く解くことを意識したい。

◎時代ごとのポイント

 以下、時代ごとのポイントについて記すが、出題されている時代・分野は多岐にわたるので包括的かつ体系的な理解が必要になることを前提としたうえで、特に注意するべきことを中心に記す。

・古代(旧石器時代~平安時代)

 政治史はもちろんのこと文化史からの出題も多い印象を受けるので資料集などを使ってより深く細かく理解する必要がある。旧石器時代から弥生時代はその歴史用語がどの時代に属するのかを正確に理解しなくてはならない

 また、遺跡等はその所在する都道府県まで把握しておく必要がある古墳時代以降対外関係にも注目しながら政治史を追いかけていこう。特に中国から多くの影響を受けている日本においては大切な視点である。

 奈良時代、平安時代になってくると大宝律令をはじめとして法整備がされるようになるので、法学部としてはこの分野の復習も大切になる。また、社会政策の中の制度として荘園に関わることは苦手な受験生が多いので見直しすること。

・中世(鎌倉時代~安土桃山時代)

 鎌倉・室町幕府の将軍鎌倉時代なら執権もだが、有名な人物について名前を正確に覚えるとともに何代目かと対応させて覚えつつ、そこに出来事を絡めて覚える必要がある。

 また、この時代は北海道・沖縄と交流が始まる時代でもある。2019年度で出題されたのですぐの出題は無いと思われるが、このテーマ史は頻出なので慶應法学部対策に限らずよく見直しておきたい。社会経済史・文化史関連も過去に深く問われているので見直しておきたい。

・近世(江戸時代)

江戸時代の将軍は必ず1~15代すべて覚えること。また、各々大体どれぐらいの時期に在職していたのかも西暦で確認しておくこと。このように政治史も大切だがその他の分野からの出題も多いのも特徴だ。

 特に文化史で扱う思想家についての出題は注意が必要である。学問ごとに分類し、師弟関係を整理したうえで時代、著名な書物、思想内容をしっかり確認すること。その他にも、農業・交通・民衆の暮らし、経済といった諸分野もテーマ史として注目して学習したい。

・近代以降(明治時代~戦後)

 明治政府の近代化の歩みはここに限らず頻出である。条約改正や明治憲法制定は法学部との絡みにおいても大切であるのでよく確認すること。また、意外に出題されるのが大衆娯楽や生活に関連した文化史である。過去に明治・大正期の文化史だけで大問1つ出題されたことがあるぐらいなのでよく対策しておかなければ出題された時に苦しい。

 また、それに関連して福沢諭吉にまつわる出題が稀にみられるのも慶應大学の特徴の1つなので可能な範囲で過去問を使って対策されたい。

 昭和期から戦後は政治史が中心になるが、相変わらず細かい用語の出題が多い。戦後も1990年代まで出来ればおさえたい。現役生はなかなかここまで手が回らないかもしれないが頑張ってもらいたい。

 また、慶應法学部に限らず明治時代以降は元号と西暦が対応出来るようになると、より問題が解きやすい。例えば、終戦の年である1945年は昭和20年である。このようにいくつか覚えておいてあとは簡単な計算でこの対応を導ける程度で良い。

まとめ

今回は、慶應義塾大学法学部の日本史について解説しました。慶應義塾大学の社会の問題は、本当に細かい知識を問うものが多いですが、合格者は基礎的な問題を落としません。

難問や奇問に目が行きがちですが、大切なことは基礎的なところで取りこぼさないことです。そこに注意して勉強に取り組んでみてください。

また、何か疑問点やなどありましたら、無料受験相談を行なっておりますので、ぜひ一度校舎まで足を運んでみてください。

無料受験相談

受験相談では

  • あなたのための奇跡の逆転合格カリキュラム
  • 1週間で英単語を1000個覚える方法
  • 合格までやるべきすべてのこと

などについてお話しさせていただきます

「絶対に志望校に合格したい」という気持ちがあれば、

今の成績や高校のレベルは関係ありません。

「模試でE判定だけど合格できるかな?」

「受験勉強って何から始めれば良いの?」

「勉強してるのに成績が上がらない・・・」

とお悩みなら武田塾の無料受験相談にお越しください。

あなたが志望校に合格できるよう全力でサポートさせていただきます。

おすすめ記事