東京大学 英語(2019年) -現役東大生が徹底解説-

1.東大英語の解き方について

東大英語の特徴は、①問題が多様なこと②時間制限が厳しいこと③リスニングが途中で行われることの3つです。

そのためしっかり対策立てて臨むことがかなり大事になってくるので、ここではまず簡単に、2019年度の入試問題における大問の内容とそれぞれに充てられる時間の目安を紹介していきます。これを参考にして、各自戦略を立ててみてください。

○第一問A 要約 12分

短めの英文を読み、それを日本語で70~80字にまとめよという問題。2019年度入試では文章全体の和訳ではなく、変化について述べよという具体的な指定がされましたが必要な力は変わりありません。

英文自体は難しいものはあまり出ないため、いかに早く読んでまとめるか、という力が試されます。とはいえ要約の字数が少ないので深く読み込む必要はありません段落ごとに内容を簡潔に掴むことができれば、さほど難しくはなく、数問解いて慣れれば得点源になります。

オススメ参考書:伊藤和夫『英語要旨大意問題演習(駿台受験シリーズ)』

○第一問B 文挿入 10分

6ヶ所英文に欠けがあり、それを8つの英文(いずれも一文のみの短いもの)から選ぶというもの。文章全体としては長いものになっていますが文のレベルはさほど高くはありませんので、要約同様、深く読み込むのではなく大体の意を読み取りつつ読み進めていくことが重要です。ただし、この問題に時間はほとんどかけられないので、かなり速読を極めておく必要があります。

○第二問A 自由英作文 10分

60~80語の自由英作文。自分の知っている単語の範囲で書く必要があるので、あまり内容に固執しすぎないことが大事です。2019年度入試では国民の祝日を新設するとしたら、という内容のものでした。少ない時間で何について書くか考えなければならないため、設問の要求(その祝日の意義、なぜその祝日が望ましいのか)を先に考えてからどのような祝日を提案したら良いか考える方が良いでしょう。自由英作文ではとにかく文法ミスを犯さないことが大事なので、書き終えてからのチェックも必須です。

オススメ参考書:成田あゆみ『自由英作文編 英作文のトレーニング 改訂版』

○第二問B 和文英訳 8分

短い日本語のパラグラフ内の一文を英訳せよという問題が出ました。標準的な問題なので、文法ミスさえしなければ得点源にできるレベルの問題です。

○第三問A~C リスニング 下読み5分+30分

講義や会話などの、長めの英語を聞き、5つの設問に答えるという問題が3題という構成です。問題と選択肢は全て英語なので、事前に全て目を通しておき、何について聞かれるのかを把握しておくことがとても重要になります。また対策次第では高得点(30点中24点以上)も狙えるところなので、必ず対策をしっかりしましょう。

オススメ参考書:木村達哉『灘高キムタツの東大英語リスニング』

○第四問A 誤文指摘 5分

1つのパラグラフに5つ下線が引かれていて、その中で誤りを含む一文を指摘するというもの。全体で5つパラグラフがあり、文章は全て繋がっています。全体を読まないと誤りを指摘するのは難しく、またその誤り自体も基礎的なレベルのものは少ないため、かなり難易度は高いでしょう。しかし配点も少ないと思われるため、時間をかけすぎてはいけません。

○第四問B 英文和訳 10分

短い英文の中に3箇所下線が引かれており、それを和訳する問題。構文自体は難しくないが、訳し方が難しいものが多いです。また下線部のみを見て和訳すると違う意味のように取れてしまう訳が出来上がるので、全体に目を通す必要があります。

オススメ参考書:伊藤和夫『英文和訳演習(駿台受験シリーズ)』

        西きょうじ『ポレポレ英文読解プロセス50』

○第五問 長文読解 20分

下線部の説明や並べ替え、欠けている単語を補うものや内容一致問題など多様な設問が含まれています。長文自体は難しくありませんが、頭を悩ます設問も多い(特にマーク問題)のが特徴です。また短い時間内にかなりの長さを読むことになるので、ここでも速読力が試されます。

オススメ参考書:杉山俊一ほか『やっておきたい英語長文700』

リスニングは試験開始から45分後に始まります。そこまでに何を解いておき、そのあとに何を解くかは個々人の好みにもよりますが、ここで私がやっていた一例を載せておきます。

解答順(例)

1A要約(12分)→1B文挿入(10分)→2A自由英作文(10分)→リスニング下読み(5分)→3リスニング(30分)→4B英文和訳(10分)→5長文読解(20分)→2B和文英訳(8分)→4A誤文指摘(5分)→見直し

その日の進捗によって後ろに回していた2Bを解いたり、自由英作文は構想だけ練ってリスニングに突入したりしていましたが、一旦これで固定して過去問演習を始めるとだんだん時間に余裕が出てきます。自分なりの解き方を見つけてみてください。

2. 2019年度過去問解説

○第一問A

模範解答:「19世紀頭まで子どもの権利という概念すらなかったが、19世紀後半になるとその権利は拡大して子供は保護対象となり、また政府が子どもの権利の保護者となっていった。」

第一段落では、「19世紀までの子供の労働について述べられており、教育や権利そのものがなかった」と述べられています。第二段落では、「19~20世紀に子供の権利が拡大し、子供が保護対象になったこと」が書かれており、第三段落では「その時期に社会が子供を虐待から守るようになった。」とも書かれています。

これを変化という側面から捉えると、「19世紀まで」から「それ以降」に向けての変化を書けばいいとわかるので、そこに焦点を当てて書けば十分でしょう。

第一段落内の具体的な労働についての記述や、1870年から1920年、などの具体的な記述は不要です。いかに内容を洗練させるか、それでいて大事な情報を逃さずに要約に組み込むかという二点を意識しながら解きましょう。

○第一問B

解答

(ア)meaning  (イ)1.a 2.e 3.d 4.f 5.h 6.c

 まず、全体を通して気をつけなければいけないことは、英文の読み方に強弱をつけるということです。この長さの文章を問題に答えながら10分で解かなければいけないので、読み飛ばせるところはさっと読んで、文の流れを把握していかなければいけません。これは現代文でも要求される能力ですが、読みながらこの文は重要なのか否かを瞬時に見極める力が必要です。

 具体的にいうと、具体例が列挙されている部分や “not~ but~”という構文のnot の部分などは軽めに読めますし、段落の頭と終わり、空欄の前後などは特に注意して読まなければいけません。演習を重ねていく中でこのようなことに注意を向けられるよう訓練を積みましょう。

(イ)1.a  (必ず正答したい問題)

 音楽は世界共通の言語であるという話から、具体例などをあげながらその命題を一部では認めた上で(1)の文が入り、その後ろに “That depends on what you mean by “universal” and what you mean by “language.””という文が続きます。

まず注目すべきはThatであり、前文の内容を受けていると推測できます。そしてそのThatは“universal”という言葉と“language”という言葉の定義による、と書いてあるのですから、選択肢aを選ぶのは簡単でしょう。

(イ)2.e  (必ず正答したい問題)

 第二段落以降では音楽と言語の類似性について書かれています。 (2)の直前では感情表現についての話がされており、直後には “For example,”として(2)で述べたことを具体化しています。その具体例が高音だったり、リズムだったり、テンポだったりということから、それが感情表現の手段であることが推測されるでしょう。ここから選択肢eを選ぶことができます。

(イ)3.d

(3)は第三段落を締めくくる文なので、この段落を正確に把握することがまず必要になります。この段落では、外国語でその意味がわからなくても話し手の感情は理解することができ、それは自分の言語での感情の起伏の表現方法を知っているため類推が可能なのだ、という趣旨のことが書かれています。そして(3)の直前では、音楽を聴くときには普遍的なprosodicの特徴に似たメロディーの特徴を元に感情を認識する、とあるのですから、音楽も言語と同様の感情伝達手段であるという意味の選択肢dを入れることができます。話の流れがつかめていれば正答できる問題です。

(イ)4.f

第四段落は、 “But” で始まることからも明らかなように明確に話題が転換しています今までが音楽が言語であることを肯定的に論証するような文脈だったことを考えれば、ここからはそれに反することを述べていくとわかるので、この時点で選択肢はfかgに絞れるでしょう。先を読み進めていくと、様々な “language”の使い方があると説明されていますが、結局それらは真の言語ではなく、 “communication system”にすぎないとあります。よって選択肢fが正答になります。

(ア)meaning

この段落では、言語は3つの要素を含まなければならないとあり、communication systemにすぎないものはそのいずれかが必ず欠けているとされています。その具体例として(ア)の直前で述べられているのは鳥の歌や鯨の歌で、要素それ自体には意味がなく、「歌全体としてのみ(ア)を持つ。」とあるのでここに「意味」という単語が入ることは明らかです。

(イ)5.h

この第六段落は、前段落を受けて音楽にも3つの要素のうち欠けている部分がある、という趣旨の段落です。シンタクスはある、(5)、むしろより大きな構造が意味を持つ。という文脈なのでhを選ぶことができます。

(イ)6.c

この段落の一文目では、音楽と言語を司る脳の領域は同じであるとあり、一旦音楽が言語であるということを支持するような記述です。ですが(6)以降を見るとそれが何も音楽と言語にのみ当てはまることではないとわかるので、音楽が言語であるということを否定するような選択肢cが当てはまります。

○第二問A 省略

○第二問B

模範解答
The most important thing is for each of us to be aware in daily life that it is we ourselves who are polluting the priceless environment with plastic wastes.

まず英文の構造を決めます。長い文ですが大枠は「重要なことは~を私たちが自覚する。」というだけなので、ここから決めていきましょう。

煩雑になるのを避けるために、まず、主語を日本語と同じくThe most important thingにします。そして意味上の主語が「私たちひとりひとり」、そしてその行動が「自覚すること」なので、for 人 to~という典型的な構文が使えることがわかります。ここから大枠となる英文、 “The most important thing is for each of us to be aware”が決定できます。

次に、awareの中身の検討に入ります。日本語から「私たち自身」という言葉が強調されていると気づけば、強調構文を使って訳すのが自然であるとわかるでしょう。これで英文の構造は決まりました。

あとは日本語に英単語を当てはめていくだけです。スペルミスや単数複数などのミスのないように丁寧に英訳していきましょう。

○第三問 省略

○第四問A

解答:(22)a (23)d (24)c (25)e (26)e

全体としてかなり難易度は高いです。英文全体の流れも意識しながら解かなければいけないのでじっくり取り組むと時間もかかってしまいます。配点はそこまで高くないと思われるので、他の問題に注力するのも一つの手かもしれません。ですが確実に正答できる問題もあるので、うまく見極めて解きましょう。

(22)a

at→for

be suited for~「~に適している」というイディオムを知っていれば解けるのでこの中では一番易しく、確実に取りたい問題。

(23)d

eitherは不要。この関係文の先行詞はarts and sciencesではなくthe widespread prejudiceなので二者択一は必要ありません。

(24)c

her→herselfにしなければならない。dedicate oneself to~「~に身を捧げる」というイディオムからの出題。再帰代名詞を使うイディオムに敏感になっていれば解ける問題。

(25)e

toはdiscoveriesの前ではなくalmostの前に置かなければならない。肝となっているのはreduce O to A「OをAにまとめ上げる」という語法で、ここでのOにあたるのはmethodsではなくdiscoveriesだがそれが長いのでここではreduce to A Oという語順を取っています。かなり難しい問題なので取れなくても仕方がないでしょう。

(26)e

ofが不要。直前の現在分詞perceivingはin its masteryという前置詞句を挟んでan opportunityにかかっているという構造です。

○第四問B

模範解答:

(ア)「確かにハワイ諸島まで旅行することは時間のかかることであるが、私が近寄らなかった本当の理由は他に訪れたい場所があったからだ。」

(イ)「子供はきっといつの日か彼らの存在という借りを返してくれるだろう、という願望を抱いて子供を育て上げるのは愚かで利己的である。」

(ウ)「この哲学は、我々が普通ペットはかくあるべきだと信じているものと多くの点で矛盾するような、彼らのペットへの愛情を説明している。」

(ア)注意する点は二つ。まず、whileで始まる節が譲歩節であり、the real reasonがそれに呼応していることに留意する必要があります。次に、the islandsが複数形かつ定冠詞であることに気づくと、それの指すものが直前に出てくるハワイ諸島であることにも気づけるでしょう。難しい単語も構文もなく、完璧な和訳を目指したい問題です。

(イ)構文自体に難しさはありません。形式主語itの中身がto raise childrenであり、in the hope thatのthatは、hopeの中身を説明するものです。「(that節)のような願望を抱いて~」と訳せます。注意すべきはtheir existenceのtheirの指すもの。これはその前に出てくるtheyと同様、childrenを指しており、parentを指すものではありません。訳出しづらいthe debt of their existenceは子供として両親の前に存在していること自体が負担である、という意味なのでそれがわかればtheirの指すものも迷わないでしょう。

(ウ) thatで始まる関係節の先行詞はtheir loveを指している。それさえわかれば非常に簡単な構造の英文であり、和訳も難しくないでしょう。

○第五問

解答:

(A)「怠惰を是とするような雑誌の刊行に躍起になった結果、皮肉にも彼自身が燃え尽きてしまった。」

(B)「インターネットでなんでも知ることができるようになり、現代はもはや驚嘆という感情を失いつつある時代になってきている。」

(C) what is it that’s so pleasing about this layer of

(D)(ア)27.h 28.a 29.e 30.g 31.i 32.c

(イ)d

(ウ)a

長文のレベル自体は高くないが、設問の難易度は高めです。正確な文意の把握に加えて高度な単語力と文法力も要求される

(A)まずは下線部を訳してみます。すると「彼はなにもしないことに身を捧げる雑誌の運営をして燃え尽きた。」という意味だとわかります。これがjokeであるというのはつまり、必死に何もしないことを是としてきたら今度は自分が何もしたくなくなってしまったという皮肉であり、ミイラ取りがミイラになるというような状態であるということがわかるでしょう。

この問題は和訳問題ではなくあくまで説明問題なので、直訳ではなくわかりやすく噛み砕く必要があります。わざわざ 「“all the jokes”の例であることがわかるように」、という但し書きまで付いているので、それがわかるような表現を入れることも必須です。

(B)この文もまず和訳を考えてみると、「我々は驚きの感情を失いつつある時代に突入した。」となります。これを設問の要求に従って「本文に即して」「説明」するにはこの下線部以降を読まなければいけません。そこではこの時代がいかにインターネットの普及した時代であるかが説明されているので、こうした記述を含まなければなりません。

(C)単なる並べ替えの問題であるかと思いきや、しっかり前後の文意も掴まなければならず、その上で高度な文法力も問われる難問

流れとしては、まずこの空欄部の答えである部分の意味を考えます。 “It is pleasing for whatever reason you find it to be.” は「あなたがいいと思ったところならなんでも(この雲は)良いです」といった意味になるので、「この層積雲の層の良いところは何か」という意味の質問文を考えれば良いとわかります。

そこでこの選択肢を見ましょう。抽象的な単語が多く難しいですが、ポイントは強調構文の疑問文を作るということ。それさえわかれば解答までたどり着けるでしょう。仮に強調構文だとはわからなくても、次のような文法的なアプローチでたどり着くこともできます。

疑問詞のwhatを文頭に持ってくることと、this later of (stratocumulus)というかたまりを作ることがまず第一歩です。そしてその中身を埋めていきますが、肝になるのはthat’sという単語です。これはthat is省略形なので、pleasingとセットで現在進行形にすれば良いとわかります。また、aboutは前置詞なので名詞の前に置かなければいけませんが、この文全体では名詞はlayerしかないので、about this layer of、というかたまりになることもわかります。こうすると残りはis,it,soの使い方だけです。

whatの後ろに置ける名詞はないので動詞を置こうとするとisしかありませんsoは特に呼応するものもないので形容詞を強調すると考えればpleasingの前に置けます。ここまでくればwhat is itという形を作るしかないと気付けるでしょう。

とはいえこの問題はかなり難関です。答えにたどり着いてもなんとなく確証も得られないかもしれません。時間が厳しい中解かなくてはならないので、わからなければ考えすぎずにさっさと次に行きましょう。

(D)(ア)

(27)h

前文で、彼は雲について考えるのをやめられなくなったとあるので、それと同じような意味になる動詞を選べば良いでしょう。とすると当てはまるのはmissingしかありません。

(28)a

ここではロンドンに戻ってからの主人公の様子が描かれています。ロンドンに戻ってからも雲についてよく話していたというのですから、ここでは雲(=them)を肯定的に捉えるようなものが当てはまります。

(29)e

直後のin plain sightは少し見たくらいでは、という程度の意味です。直前のsharpened his abilityなども手がかりにすると、beautyがどうなっているかと言えば「隠れている」と取るのが自然でしょう。

(30)g

この段落では彼の雲に関する取り組み、 “The Cloud Appreciation Society”について書かれています。予想以上の反響を受け、こうした協会を実際に創設することにした、という文脈なのでinventingを選べます。

(31)i

前の段落で会員料金を取る、ということが書かれており、membersにかかる現在分詞であることを考えれば、有料会員という意味のpayingを選ぶのは難しくありません。

(32)c

この空欄の後ろには、完璧を求めすぎるあまり時間がかかったがとても楽しかった、とあるので簡単にexhaustingを選べます。

(D)(イ)d

選択肢の意味は次の通り。

a)「曇った」b)「高価な」c)「怠慢な」d)「無意味な」e)「真面目な」

この文の意味的にはそれが(イ)のように見えないように、ということなので否定的な内容が入るはずであり、前の文脈を考慮すればdを選べます。

(D)(ウ)a

aは「ローマに行って初めて雲が魅力的だと気付いた」とありますが、第二段落の最後の4行ほどにはイギリスにいた幼い頃から雲には魅了されていたとあるのでこれが間違いだとわかります。

まとめ

今回は東京大学の英語の問題について、現役の東大生に解説してもらいました。現役の東大生でも難しいと言いながら、この記事を作っていたのが非常に印象的でした。

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