早稲田大学法学部 『日本史』 2019年度分析-早稲田にも合格した現役慶応大生が徹底解説-

 2019年度の早稲田大学法学部の『日本史』はどのようなものだったのか、設問別に分析し講評を載せていく。

日本史の分析においては確実に正解したい問題については〇、差が出る合否に影響する問題は△、解答不能な難問は×を付けてあるので参考にしてほしい。〇は確実に正解する必要がある。また、×の問題は出題頻度が低く、ほとんどの受験生が出来ないので差がつかない。そのため、出来なくてよい。大切なのは△の問題をどれだけ解けるかということである。用語集の頻度は低くなっているが解答不能ではない問題は出来るだけ拾っていきたい。

 本記事では特に大問3と大問4において全問解説も加えてある。

※2019年度日本史平均点
26.717点

※難易度判定等はあくまで筆者の主観に基づくものであるので悪しからず。

Ⅰ 古代の都の変遷 (標準)

  全体的には基本的な問題が並んだ。難しいのは問7ぐらいで皇朝十二銭の3番目のものを選ぶ問題だがこれは消去法を使っても判断できず多くの受験生が解答不能だったと思われる。この大問は8問ほど正解できると十分合格ラインと言えるだろう。

〇1 い

〇2 条坊

〇3 え

〇4 朱雀大路

△5 お

△6 あ

×7 う

〇8 恭仁京

〇9 え

△10 推古〔天皇〕

補足説明 
 飛鳥の豊浦宮で即位した事だけをヒントに解いたのでは難しいが、その後の遣隋使や遣唐使を通じてという部分をヒントに着目し、遣隋使も含まれている点に注目すれば正解に至ることが出来ただろう。

Ⅱ 借金返済を巡る紛争の歴史 (やや易)

 中世の訴訟関連は過去にも出題されたことがあり、早稲田大学に限らず法学部では頻出テーマである。法制史は1つのテーマ史として復習されたい。この大問で聞きなれず記述するのが難しいのは問8ぐらいかと思われる。他の問題は出来るだけ全問正解を目指したいところだが、この問題においても8問正解すれば十分合格ラインだろう。

〇1 う

〇2 う

〇3 借上

△4 え

補足説明 
 このように永仁の徳政令や御成敗式目の内容は少し細かく出題され、頻出事項であるのでよく確認をした方が良い。用語だけでなくどのような規定があったのかを史料などで確認するべきである。

△5 越訴

補足説明
 こういった古代・中世の法に関わる歴史用語も過去に繰り返し出題されているので、早稲田大学の受験生は正解したいところだ。

△6 あ・う

〇7 分一銭

△8 金公事

〇9 相対済し令

〇10 え

Ⅲ 日記:『妹尾義郎日記』からの引用

  例年通りある人物の日記からの出題となった。問題のレベルも基本的なものが多く日記の内容から習った知識とリンクさせれば解ける問題が多い。特に今年度は選択式の問題において差が出る良問が並んだのではないか。また、問3と問9は選択肢の絞り込みが難しい。この大問は7問ほど正解すれば十分合格ラインと言えるだろう。

〇1 え

補足説明 
 日記の内容から時は犬養内閣だと判断する。犬養内閣は1931年に金輸出再禁止を行ったのだから、金輸出解禁措置を批判したと考えることが出来る。

△2 お

補足説明
 戦前の政党の流れと犬養の所属政党の流れを正確に把握していないと正解に至ることが出来なかったと思われる。空欄A、Bで犬養が革新倶楽部を立憲政友会に合流させたこと、Eで浜口内閣の前は立憲政友会の田中義一内閣が担当していたことが分かれば正解に至ることが出来る。

△3 い・お

 消去法を用いれば正解にたどり着くことも出来るが、絞り込みは難しかっただろう。

△4 あ

 選択肢が細かいところでひっかけるタイプで選びにくかったかもしれない。

〇5 う

 パリ不戦条約は1928年締結で田中義一内閣である。

△6 う

補足説明 
 ③田中義一首相就任…1927年→②初の普通選挙実施…1928年→④浜口雄幸首相就任…1929年→①犬養毅内閣…1931年~1932年の順番である。特に②の判断が難しかったかもしれない。

〇7 河上肇

 『貧乏物語』の著者だけで人物は分かって欲しいが、漢字のミスが多い人物なので漢字ミスには気を付けたい。

〇8 森戸辰男

 この人物も漢字ミスが多い。ただ、帝大教授、クロポトキンの研究で森戸辰男は思い浮かぶことが必須である。

△9 う・え

 消去法でも絞りにくい問題だったかもしれない。

〇10 滝川幸辰

 この人物も漢字のミスが多く、早稲田大学は受験生の漢字のミスが多い歴史人物の事をリストにして把握しているのかというぐらい狙った設問となった。これも5月21日の日記の内容から容易に判断したい。

Ⅳ テロリズムの歴史 (標準)

  変わった切り口からのテーマ史ではあるが、高校日本史の知識で十分対処できるレベルであり、焦らず問題文のヒントを拾って処理する必要がある。この問題において一般的な受験生が解答不能な問題はないと思われるが、差が出る問題が多く、また基本的なものでも記述式だったので差の出る大問だったのではないか。この問題においては8問ほど正解できれば十分合格ラインだろう。

△1 稲村浅次郎

補足説明
 用語集の頻度は低いうえに、漢字で書かせる記述式の問題だったので正答率はそこまで高くないと思われるが、早稲田大学の受験生ならこの人物を知らないというのは危険である。過去にも早慶レベルでは多く出題されているので是非確認して本番では正解したい。その意味で差が出る問題となっただろう。

△2 え

補足説明
 この時期の政治的背景を正確に理解していないと解答することは難しく、多くの受験生が苦手意識を持っていたり、政党が乱立していて頭の中が整理出来ていなかったりする分野でもあるので、意外と正答率は低いかもしれない。しかし、この時代をしっかり学習した受験生にとっては教科書レベルの知識で迷わず選ぶことも可能であるので正解したいところでもある。「選択肢え」は単純にそのような事実はないので誤った選択肢となる。

〇3 池田勇人

 センターレベルの基本。「所得倍増」のスローガンで容易に判断されたい。あとは、漢字を正確に書けるようにしておきたい。

〇4 ノルマントン号〔事件〕

 これもセンターレベルの基本。領事裁判権の撤廃で容易に判断しなければならない。

〇5 お

 これもセンターレベルの基本。条約改正までの過程は早稲田大学に限らず過去にも何度も出題がある最重要事項である。人物と出来事をしっかりと対応しておきたい。

〇6 三大事件建白〔運動〕

 これもセンターレベルの基本。1887年、井上馨の条約反対運動から容易に判断したい。

〇7 い

 この問題については、どの選択肢もセンターレベルの基本的な内容なので正解したい。

△8 え

 アメリカとの貿易摩擦が1980年代に激化したことを知っていればすぐに選べたのではないか。細かい知識であるがこのレベルまでおさえて欲しいところである。

〇9 プラザ〔合意〕

 センターレベルの基本。ただ、戦後の中でも現在に近い1980年代以降まで学習が追いつかなかった特に現役生には難しかったかもしれない。しかし、そんなことも言っていられないので、ここまでしっかり学習しておくこと。

△10 う

補足説明
 1990年代からの出題。一見難しそうに見えるがバブル景気は1990年代初頭には崩壊し始めていたという基本的な知識が分かっていれば、他の選択肢に引っ張られることなく選ぶことが出来たのではないか。このように受験生が知らないような内容の選択肢を並べ、そこに教科書レベルの凡ミスを混ぜて選択肢を構成するパターンは多い。受験生はこの凡ミスを見つけられるように過去問演習を通じて慣れていって欲しい。

◎まとめ

  2019年度の早稲田大学法学部の問題は、〇が23個、△が16個、×が1個となった。比較的解きやすく易しい年だったのではないだろうか。いずれにせよ、早慶レベルの過去問演習を多くこなすと1度見たことある問題が出題されることもあるので、他学部の問題を含め時間の許す限り対策をしておくと有効である。しかし、いずれにせよ日本史といった歴史科目では大きな差は生まれない。

早稲田大学の場合、1時限目の英語、2限目の国語においても最低でも受験者平均点以上とり、各教科バランスよく点数を取ることが最大の鍵となる。そのため、日本史も大切だが、英語・国語の対策も抜かりなく行いたい。

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